患者の経済的・心理的・社会的問題の解決に尽力
突然入院することになり、長期治療が必要な病気にかかると、医療費や生活費の心配だけでなく、残された家族の世話、学校や職場のこと、後遺症、治らない病気と告げられたときの混乱など、経済的・心理的・社会的な様々な問題が起こってくる。医療ソーシャルワーカーは、社会福祉の立場から、こうした問題を患者や家族と一緒になって考え、解決のための援助を行う。
仕事は患者や家族からよく話を聞くことが出発点となる。そして、ほかの医療・保健関係のスタッフとも相談し、援助の方法を検討する。つまり医療ソーシャルワーカーは、医療・保健と福祉の橋渡しをする役割を担っていると言える。
病院や介護老人保健施設などで活躍する
主な職場としては、病院の福祉相談室や保健所、介護老人保健施設などがある。勤務時間は、病院に勤務する場合でも基本的に夜勤はないが、リハビリテーション関連の施設では当直を行うこともある。また、同じ病気を持つ人やその家族が集う会合などに出席する場合は、夜間や休日の勤務となることもある。
患者の信頼を得られることが第一
まず相手の立場に立って考えることができ、相談者が安心して話ができる信頼感のある人に適している。そして、心理面や経済面が複雑に絡んだ問題や、制度では解決できない難問に対処することも多いので、高い専門知識を持ち、素早く的確に状況をつかんで判断する能力が必要である。また、人の役に立ちたいという熱意のある人が望まれる。
これからの総合医療に必要な存在
医療ソーシャルワーカーの必要性はかなり以前から指摘されているが、今のところ、社会的認知度はまだ十分とは言えない。しかし、医療の現場では、病気の治癒だけでは解決しない問題も多く、患者が抱えている経済的・心理的・社会的な問題に対して総合的に取り組む専門職の必要性が増している。医療と福祉をつなぐ専門職として潜在的なニーズは高いと言える。
初任給 約20万7000円(公立病院の場合)
国立病院機構東埼玉病院 : http://www.hosp.go.jp/~esaitama/
長野市民病院 : http://www.hospital.nagano.nagano.jp/index.php
川崎医療福祉大学 : http://www.kawasaki-m.ac.jp/mw/
福祉関係者のホームページ : http://www.asahi-net.or.jp/~lc1t-kym/index.htm
社会福祉法人 全国社会福祉協議会 : http://www.shakyo.or.jp/
© Benesse Corporation 2009-2019.